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わたしのおとうさんのりゅう
¥2,200
伊藤比呂美 著 定価|2,200円(本体2,000円+税) 発売日|2025年10月17日 判型|四六判 ページ数|280 ISBN|9784865284911 [版元HPより] 私は、『エルマーのぼうけん』を日本で初めて読んだ子どもです。 父はやくざでした。母は芸者でした。 高度経済成長期に入りかけた頃の東京の板橋区の裏町の裏通りをさらに入ったところで、「私」は夢中で本を読み、父と母は過去を隠して暮らしていた。 『少年少女世界名作文学全集』、『風にのってきたメアリー・ポピンズ 帰ってきたメアリー・ポピンズ』、『シートン動物記』、そして父に読み聞かせてもらった『エルマーのぼうけん』と『ドリトル先生アフリカゆき』…… 「私」の一生を貫き、その言葉をつくりあげてきた児童文学を追ううちに、読み聞かせてくれた父の声から引き寄せられたのは「私」の幼いころの記憶、「私」の知らなかったこと、思い出せない父の背中の刺青。 父と母はなぜあのように暮らしたのか。記憶の海に溺れながら、児童文学と翻訳と、「私」につならる人々をめぐる道行き。 目次 エルマーのぼうけん わたしのおとうさんのりゅう エルマーのぼうけん ルーシーのむしめがね エルマーのぼうけん 井伏鱒二の敬語 ドリトル先生アフリカゆき ネコ肉屋の体臭 銚子の海 おじさんの本棚 兄きと姐さん 背中の刺青 昭和の文体 少年少女世界名作文学全集 父の戦争 父の軍歴 サカナとヤクザ ペペルモコ 暴力の港 ピピネラと私 ドリトル先生のキャラバン その男たち 風にのってきたメアリー・ポピンズ/帰ってきたメアリー・ポピンズ 動物を殺す シートン動物記 コヨーテの声 シートン動物記 母系 母の戦争 母の「生きる」 謝辞・本書に登場するおもな作品たち 著者プロフィール 伊藤比呂美 1955年東京都生まれ。詩人、小説家。78年、詩集『草木の空』でデビュー、同年現代詩手帖賞受賞。80年代の女性詩ブームをリードし、「育児エッセイ」分野も開拓。2018年から21年、早稲田大学教授。06年『河原荒草』で高見順賞、07年『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』で萩原朔太郎賞、08年紫式部文学賞、15年早稲田大学坪内逍遙大賞、19年種田山頭火賞、20年チカダ賞、21年『道行きや』で熊日文学賞を受賞。父の最後の三年半を綴った『父の生きる』ほか、『読み解き「般若心経」』『切腹考』『いつか死ぬ、それまで生きる わたしのお経』『森林通信 鷗外とベルリンに行く』『野犬の仔犬チトー』『対談集 ららら星のかなた』(谷川俊太郎氏との共著)など著書多数。
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大仏ホテルの幽霊
¥2,640
カン・ファギル 著 | 小山内 園子 訳 ----------------------------------------------------- 「わたしの白水社フェア」開催中!// 白水社の書籍をお買い上げの方に参加29店がオススメする書籍のご案内や翻訳家の柴田元幸さんらが寄稿する小冊子をお付けしております。 ----------------------------------------------------- ☆『わたしの白水社フェア』当店のオススメ書籍// [版元HPより] 朝鮮戦争の傷痕が残る西洋式「大仏ホテル」で4人の男女の人生が交錯する。韓国社会の“恨”を描くゴシックスリラー。 物語の舞台は、1950年代後半、朝鮮戦争の傷跡が生々しく残る、朝鮮初の西洋式「大仏ホテル」。朝鮮半島に外国人が押し寄せた時代に仁川に建てられた実在のホテルである。 アメリカ軍の無差別爆撃で家族を亡くしたチ・ヨンヒョンは仁川の港で泊まり客を大仏ホテルに案内する仕事をしていた。雇い主は同い歳のコ・ヨンジュだ。ヨンジュは苦労して英語を習得し、大仏ホテルの後身である中華楼での通訳を経て、再オープンした大仏ホテルの管理を任される一方で、アメリカ行きを虎視眈々と狙う。中華楼の料理人のルェ・イハンは、韓国人からヘイトの対象とされる華僑の一族のひとり。かつて栄華を誇った大仏ホテルも、今や中華楼三階の客室三室とホールだけの営業となった。悪霊に取り憑かれていると噂される大仏ホテルに、ある日、シャーリイ・ジャクスンがチェックイン。エミリー・ブロンテも姿を現し、運命の歯車が回りだす。 伝播する憎しみ、恨み、運命を変えたい人々、叶えたい想い……。スリリングな展開と繊細 な心理描写によって、韓国社会の通奏底音である「恨(ハン)」を描ききり、最後は大きな感動に包まれる、著者の新境地。 【著者略歴】 カン・ファギル Kang Hwa-gil 1986年、全州市生まれ。2012年、短篇小説「部屋」でデビュー。16年に短篇小説集『大丈夫な人』(小山内園子訳、白水社)を刊行、17年に初の長篇『別の人』(小山内園子訳、エトセトラブックス)で第22回ハンギョレ文学賞、20年に短篇小説「飲福」で第11回若い作家賞大賞、21年に短篇小説集『ホワイトホース』で白信愛文学賞を受賞。 定価|2,640円(本体2,400円+税) 発売日|2023/11/24 判型|四六判 ページ数|296 ISBN|9784560090893
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眠りの航路
¥2,640
呉明益 著 | 倉本 知明 訳 定価|2,640円(本体2,400円+税) 発売日|2021/08/30 判型|四六判 ページ数|338 ISBN|9784560090695 [版元HPより] 睡眠に異常を来した「ぼく」の意識は、太平洋戦争末期に少年工として神奈川県の海軍工廠に従事した父・三郎の記憶へ漕ぎ出す――。 台湾を代表する作家であり、世界的に注目を集める作家・呉明益の長篇デビュー作の待望の邦訳。のちに『自転車泥棒』や『歩道橋の魔術師』にもつながる原初の物語である。 台北で暮らすフリーライターの「ぼく」は、数十年に一度と言われる竹の開花を見るために陽明山に登るが、その日から睡眠のリズムに異常が起きていることに気づく。睡眠の異常に悩む「ぼく」の意識は、やがて太平洋戦争末期に神奈川県の高座海軍工廠に少年工として十三歳で渡り、日本軍の戦闘機製造に従事した父・三郎の人生を追憶していく。戦後の三郎は、海軍工廠で働いた影響から難聴を患いながらも、台北に建設された中華商場で修理工として寡黙に生活を送っていた。中華商場での思い出やそこでの父の姿を振り返りながら「ぼく」は睡眠の異常の原因を探るために日本へ行くことを決意し、沈黙の下に埋もれた三郎の過去を掘り起こしていく。三郎が暮らした海軍工廠の宿舎には、勤労動員された平岡君(三島由紀夫)もいて、三郎たちにギリシア神話や自作の物語を話して聞かせるなど兄のように慕われていたが、やがて彼らは玉音放送を聴くことになるのだった――。 ------------------------------------------------------- 「わたしの白水社フェア」開催中!// 白水社の書籍をお買い上げの方に参加29店がオススメする書籍のご案内や翻訳家の柴田元幸さんらが寄稿する小冊子をお付けしております。 ------------------------------------------------------- 【著者紹介】 呉明益(ご・めいえき)/ Wu Ming-Yi 1971年台北生まれ、小説家、エッセイスト。輔仁大学マスメディア学部卒業、国立中央大学中国文学部で博士号取得後、現在、国立東華大学華語文学部教授。90年代初頭から創作を行い、短篇小説集『本日公休』(97年)で作家デビュー。2007年、初の長篇小説『睡眠的航線』(本書)を発表し、『亜州週刊』年間十大小説に選出された。以降、80年代の台北の中華商場を舞台とした短篇小説集『歩道橋の魔術師』(白水社)やSF長篇小説『複眼人』(KADOKAWA)、激動の台湾百年史を一台の自転車をめぐる記憶に凝縮した長篇小説『自転車泥棒』(文藝春秋)など、歴史とファンタジーを融合させたユニークな作品を次々と発表している。環境問題にも強い関心を抱き、生態関懐者協会の常務理事、黒潮海洋文教基金会の理事を兼任、自ら写真やイラストを手がけた自然エッセイ集『迷蝶誌』(2000年)や『蝶道』(03年)、『浮光』(14年)を発表するなど、現代の環境意識に呼応した作品を数多く発表している。『歩道橋の魔術師』は台湾で過去最大の総工費をかけて中華商場を再現してテレビドラマ化され、大きな話題となった。 国内では全国学生文学賞、聯合報文学小説新人賞、梁実秋文学賞、中央日報文学賞、台北文学賞、台湾文学長篇小説賞、台北国際ブックフェア大賞などを相次いで受賞、海外では『複眼人』がフランスの島嶼文学賞を獲得、『自転車泥棒』が国際ブッカー賞の候補にノミネートされるなど、その作品は世界的に評価され、日本語、英語、フランス語、チェコ語、トルコ語など、数ヶ国語に翻訳されている。
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目の見えない人が見ている世界※訳者サイン入り※
¥2,970
アンドリュー・リーランド 著 | 濱浦 奈緒子 訳 ISBN:9784023324671 定価:2970円(税込) 発売日:2026年3月6日 四六判並製 408ページ [版元HPより] 「もやもやだらけの社会と自分。でも人生は変化する答えを追いかける旅のようなものなのだ」――伊藤亜紗氏(東京科学大学未来社会創成研究員/リベラルアーツ研究教育院教授) NYタイムズ、Amazonほか数々のメディアなどでベストブックに選出、ピューリツァー賞メモワール部門最終候補作。40代の著者は小学生で網膜色素変性症を発症、時間をかけて視力を失っていく。周囲との関係性の変化、見えない世界の感覚などを積極的に取材・体験し記録する。アイデンティティの葛藤と好奇心に満ちた挑戦の物語であり魅力的な紀行文。 【目次】 ■はじめに 終わりのはじまり 不安定なふたつの楕円とフライドポテト/“広大な世界”を旅する/視野を失うさなかゆえの恐怖/幼い息子のみずみずしい問い <第1部 見せかけの不自由歩行> ■第1章 星を見る 視覚上の耳鳴り/星が見えなくなった/歴史のなかの“目の見えない人”/婚約の日の冗談/パパにはわるいおめめがついている/杖にまつわる恥ずかしさ ■第2章 目が見えない人の全国組織 目の見えない3000人が集う/1パーセントの特権階級/目の見えない人が“見つめる”顔/フルタイムのプロの物乞い/クスリをやっていると間違えられて/UCバークレー初の目の見えない卒業生/音響式信号機は「無力」の象徴になる?/男の子とトマトがくれた希望 ■第3章 定義によって見えなくなる 視力検査の歴史/恐ろしい検査のフルコース/やっと「法的盲」になれる!/「視力があることを神に感謝しなさい」だと!?/憎たらしい包丁のかくれんぼ/ユダヤ人としてのアイデンティティ/目の見えないユダヤ人にナチスがしたこと/目で見た美しさは、もう、楽しまないことにした <第2部 失われた世界> ■第4章 男性のまなざし 「目が見えなくなる夫を持つのは大変でしょう」/か弱いと思われたくない/妻のいらだち/もし『ウォーキング・デッド』なら/視覚とセックスの関係/スティービー・ワンダーは見ていた/目の見えない男の「いやらしい目つき」/眼球を取ることは懲罰目的の去勢だ ■第5章 カメラ・オブスクラ モネもセザンヌも目が悪かった/オリエンテーションとモビリティ/アートを視覚以外で見る/伴走者のナレーション/音声解説の萌芽/どんな解説が好きか、でわかること/カメラのPR動画に解説が必要な理由 ■第6章 バベルの図書館 ジェイムズ・ジョイスの小説/爆発して水浸しになた4キロの呪いの本/ヘレン・ケラーの生きた時代/聴覚で作成した論文はダメなのか/指は3本ずつ使え!/擦り切れた指先から伝わる感覚/1年生のような朗読者/まるでテニスの試合観戦のように/自分の手で書けなくなる不安 ■第7章 作り手たち 「見えない人のために」から生まれた数々の発明/LPはオーディオブックの副産物だった/アップル社をたどると……/熟練のトラブルシューターたちに会いに行く/まなざしをオフできる場所/アマゾン社の天才研究員/アシスティブ・テクノロジーの進化/障害が気づかれなくなる未来 <第3部 体系的な知の習得> ■第8章 見えないことに抗う ゆっくりで、とらえにくく、存在している/85万ドルの遺伝子組み換え治療/人工的な感覚器官は何をくれる?/「見えないままがいいい」という考え方/息子が「僕みたいに」なること/私を見るリリー ■第9章 正義の女神 カラー・ブラインド/障害は「医学的な理由」?/あからさまな拒絶/「代替のテクニック」と「配慮」は違う?/愛から生じる差別/目の見えない女性初の最高裁判所補佐官/目が見えないことを“無視”しよう ■第10章 半笑い アイマスクの目隠し研修/“品定め”/研ぎ澄まされていく心の目/極端すぎるリハビリ/組織的な性加害/仲間が変える、仲間と変わる/半分笑う ■終わりに 勝負の終わり 息子の指/身体的差異から開かれる光景/杖が呼ぶ恩着せがましさ/残った感覚の中にある世界/異世界の土地の真実
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ケアする心
¥2,420
キム・ユダム 著 | 小山内 園子 訳 ------------------------------------------------------- 「わたしの白水社フェア」開催中!// 白水社の書籍をお買い上げの方に参加29店がオススメする書籍のご案内や翻訳家の柴田元幸さんらが寄稿する小冊子をお付けしております。 ------------------------------------------------------- [版元HPより] 育児や介護など家族のケアに時間と労力を捧げる人々が、ケアされない日常の中で静かに奮闘する心を描く、韓国発の注目の短篇小説集。 [目次] 第一部 ナツメ 安 ギョンジャ 第二部 ヨンジュの半分 ケアセンター天国 ケアする心 私の隣人との距離 第三部 入所 特別災難地域 台風注意報 作家のことば 推薦のことば 訳者あとがき ---------------------------------------------------------------------------- 「わたしの白水社フェア」開催中!// 白水社の書籍をお買い上げの方に参加29店がオススメする書籍のご案内や翻訳家の柴田元幸さんらが寄稿する小冊子をお付けしております。 ----------------------------------------------------------------------------- [著者略歴] キム・ユダム 1983年、釜山生まれ。 2016年、ソウル新聞新春文芸に短篇「ピンキャリー」が入選し、作家デビュー。同作を含む短篇小説集『タンバリン』で第38回シン・ドンヨプ文学賞、本書収録の「安」で第1回キム・ユジョン作家賞を受賞。著書は他に、長篇小説『弛緩の姿勢』、『カーテンコールは遠慮します』など。 定価|2,420円(本体2,200円+税) 発売日|2026/02/16 判型|四六判 ページ数|253 ISBN|9784560090992
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回復する人間
¥2,640
ハン・ガン 著 | 斎藤 真理子 訳 発売日|2019/05/27 発行|白水社 判型|四六判 ページ数|286 ISBN|9784560090596 ------------------------------------------------------- 「わたしの白水社フェア」開催中!// 白水社の書籍をお買い上げの方に参加29店がオススメする書籍のご案内や翻訳家の柴田元幸さんらが寄稿する小冊子をお付けしております。 ------------------------------------------------------- [版元HPより] ノーベル文学賞受賞作家による珠玉の短篇集 痛みがあってこそ回復がある 大切な人の死や自らの病、家族との不和など、痛みを抱え絶望の淵でうずくまる人間が一筋の光を見出し、ふたたび静かに歩みだす姿を描く。 『菜食主義者』でアジア人初のマン・ブッカー国際賞を受賞し、『すべての、白いものたちの』も同賞の最終候補になった韓国の作家ハン・ガン。本書は、作家が32歳から42歳という脂の乗った時期に発表された7篇を収録した、日本では初の短篇集。 [目次] 明るくなる前に 回復する人間 エウロパ フンザ 青い石 左手 火とかげ 訳者あとがき [著者略歴] ハン・ガン Han Kang 한강 1970年、韓国・光州生まれ。延世大学国文学科卒業。2005年、三つの中篇小説をまとめた『菜食主義者』で韓国最高峰の文学賞である李箱文学賞を受賞、同作で16年にアジア人初の国際ブッカー賞を受賞。17年、『少年が来る』でイタリアのマラパルテ賞を受賞、23年、『別れを告げない』でフランスのメディシス賞(外国小説部門)を韓国人として初めて受賞し、24年にフランスのエミール・ギメ・アジア文学賞、26年に全米批評家協会賞を受賞した。他の邦訳に『ギリシャ語の時間』『すべての、白いものたちの』『そっと 静かに』『引き出しに夕方をしまっておいた』『光と糸』『かみなりせんにょと いなづませんにょ』など。24年、アジア人女性として初めてノーベル文学賞を受賞した。
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大丈夫な人
¥2,200
カン・ファギル 著 | 小山内 園子 訳 定価|2,200円(本体2,000円+税) 発売日|2022/05/30 判型|四六判 ページ数|282 ISBN|9784560090732 ------------------------------------------------------- 「わたしの白水社フェア」開催中!// 白水社の書籍をお買い上げの方に参加29店がオススメする書籍のご案内や翻訳家の柴田元幸さんらが寄稿する小冊子をお付けしております。 ------------------------------------------------------- [版元HPより] 人間に潜む悪意、暴力、卑下、虚栄心などを描き出し、現代社会の弱者の不安を自由自在に奏でる。韓国の奇才による短篇小説集。 韓国の女性たちが熱く支持する著者の短篇集 人間に潜む悪意、暴力、卑下、虚栄心などを描き出し、現代社会の弱者の不安を自由自在に奏でる。欧米も注目する韓国の奇才による初の短篇小説集。 欧米も注目する韓国の奇才による初の短篇小説集 日常生活で女性が襲われる理不尽と絶望を純文学に昇華し、韓国の女性を中心に絶大な支持を得ている女性作家、カン・ファギル。他者の行動の裏に潜む悪意を浮かび上がらせ、現代社会の“弱者”が感じる不安、絡み合い連鎖する不安の正体を自由自在に暴いてみせる。デビュー作「部屋」、若い作家賞受賞の「湖――別の人」、英国の翻訳家デボラ・スミスに注目され、英国で刊行された韓国文学の短篇集に収録されて大きな話題となった「手」など全9篇。 本書に描かれている世界と同様の閉塞的な社会を生きている日本の読者にも不安は迫ってくる。その背後に潜む差別意識や劣等感などに気づかされ、見えているものと見えていないもの、そして、何が真実なのかを突きつけられる。 [目次] 湖――別の人 ニコラ幼稚園――貴い人 大丈夫な人 虫たち あなたに似た歌 部屋 雪だるま グル・マリクが記憶していること 手 訳者あとがき [著者略歴] カン・ファギル 1986年、全州市生まれ。2012年、短篇小説「部屋」でデビュー。2016年に短篇集『大丈夫な人』、2017年に初の長篇『別の人』(小山内園子訳、エトセトラブックス、2021年)で第22回ハンギョレ文学賞を受賞。2020年には短篇小説「飲福」で第11回若い作家賞大賞を受賞した。 本作に収録された「手」は、英国の翻訳家デボラ・スミスに注目され、イギリスで発行された韓国文学ショートストーリーシリーズに収められて大きな話題となった。
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多情所感 やさしさが置き去りにされた時代に
¥2,090
キム・ホンビ 著 | 小山内 園子 訳 定価|2,090円(本体1,900円+税) 発売日|2023/02/22 判型|四六判 ページ数|204 ISBN|9784560094808 ------------------------------------------------------- 「わたしの白水社フェア」開催中!// 白水社の書籍をお買い上げの方に参加29店がオススメする書籍のご案内や翻訳家の柴田元幸さんらが寄稿する小冊子をお付けしております。 ------------------------------------------------------- [版元HPより] 『女の答えはピッチにある』の著者による、コロナ後の韓国で話題沸騰のエッセイ! ユニークな洞察力が冴えわたる! コロナ後を生き抜く キーワードは「やさしさ」 ユーモア溢れる筆致で多くの読者を魅了した『女の答えはピッチにある』(サッカー本大賞2021受賞)の著者による、韓国で大反響のエッセイ、日本上陸! 新型コロナウィルスの世界的な流行で生活は一変し、人と関わらない日々が普通になりつつある。今まであたりまえだと思っていたことが、そうではなかったと思い知った著者が、日常生活を振り返り、自分がつらかったとき、困難に直面したとき、他者の大小さまざまな「やさしさ」がいかに自分自身を立ち上がらせてくれていたのか、しみじみと実感したエピソードが本書には詰まっている。 『多情所感』とは、 韓国の四字熟語「多情多感 (思いやりが深いこと )」にちなんだ造語。コロナ前には気づかなかった、女子サッカーチームの先輩たちから自然に受けていた励まし、偽善的な上司からの悟り、客室乗務員時代の女性たちの連帯、社会にはびこるマウントや偏見、SNSの言葉の落とし穴、塞ぎ込んでいたときに救ってくれた友人の料理のあたたかさ…。タイトルの通り、著者の繊細な感受性が日常生活や社会の様々な層の感情を掬いあげていくが、それには秘密がある。著者が小学校3年生の時に、大人たちが何気なく使う言葉や表現でクラスメートが深く傷つけられていると感じた記憶が明かされる。その姿が自らの深い傷になり、今も反芻し、差別する側の目が自らの内にないか常に問いかけている著者の繊細さがあるからこそ、本書の言葉は人を包みこむやさしさをもつ。 大きく感情を揺さぶられながら、相手の立場で考える想像力を取り戻す力を与えてくれる、心の点滴のような一冊。 [目次] 日本の読者のみなさんへ 第一部 海苔刷毛置き、みたいな文が書きたい 旅に正解はありますか 逆さま人間たち サッカーと大家 虚飾に関して 自分だけを信じるわけには、いかないから 先祖嫌悪はおやめください 納涼特集 私の幽霊年代記 スーパーで、ようやく 彼のSNSを見た 本で人生が変わるということ Dが笑えば私もうれしい──#私がもう使わない言葉 第二部 ひとつの季節を越えさせてくれた 扉の前で、今は そんな私たちが、いたんだってば 飛行機はわるくなかった あるミニマリストの試練 wkw/tk/1996@7'55"/hk.net プーパッポンカレーの喜びと悲しみ ひょっとして、これは私のソウルフード あとで会おうね、オンラインで コーヒーと酒、コロナ時代のスポーツ 旬の食べ物をしっかり摂ること ひとつの季節を越えさせてくれた あとがき──コロナ時代の近況と、書かれていないやさしさについて 訳者あとがき [著者略歴] キム・ホンビ 김혼비 独自の視点とユーモアで、新刊が常に話題を集めるエッセイスト。好きなものはサッカーと酒と本、ペンネームはサッカーエッセイも手掛けるイギリスの作家、ニック・ホーンビィから。会社員生活のかたわら、書かずにはいられない文章だけをじっくり書き続けている。著書『女の答えはピッチにある 女子サッカーが私に教えてくれたこと』(小山内園子訳、白水社)で〈サッカー本大賞2021〉を受賞。著書はほかに、『とにかく、酒』(未邦訳)、『全国お祭り自慢 不思議で本気なK-お祭り探検記』(パートナーのパク・テハと共著、未邦訳)がある。
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女の答えはピッチにある 女子サッカーが私に教えてくれたこと
¥2,200
キム・ホンビ 著 | 小山内 園子 訳 定価|2,200円(本体2,000円+税) 発売日|2020/07/30 判型|四六判 ページ数|268 ISBN|9784560097779 ------------------------------------------------------- 「わたしの白水社フェア」開催中!// 白水社の書籍をお買い上げの方に参加29店がオススメする書籍のご案内や翻訳家の柴田元幸さんらが寄稿する小冊子をお付けしております。 ------------------------------------------------------- [版元HPより] サッカー初心者の著者が地元の女子チームに入団し、男女の偏見を乗り越え、連帯する大切さを学んで成長していく、抱腹絶倒の体験記。 サッカー本大賞2021受賞! 無類におもしろく、最高に生き生きとした実感が溢れている。 本書には、サッカーをプレーするさまざまな年齢とカテゴリの 〈普通〉の女性たちの喜びと輝きが凝縮されている。 いつまでもホンビさんの話を聞いていたかった。 ――津村記久子氏推薦! 韓国で「真のフェミ本」と話題沸騰! 仕事アリ、夫アリ、子どもナシ、30代の著者は、ロナウドのプレーに魅了されてから熱烈なサッカーファンとなり、地元のアマチュア女子サッカーチームを探して入団。それから起こった様々な出来事や心情の変化をユーモア溢れる生き生きとした筆致で綴る抱腹絶倒の体験記。 男のスポーツという印象が強いサッカーの世界に著者が飛び込んでいった時の気づきがとても面白い。サッカーの世界では「女が知ってるはずがない」という偏見を前提に、男は女に説明したがる。そのおかしさが、著者の視点によってわかりやすく見えてくる。そして女がサッカーをするときのハードルは、社会の中で男の領域とみなされている場所で女がサヴァイブするときのハードルにもつながっていると気づかされる。 チームの女たちは、時間をつくって練習を重ね、体と向き合い、どうすればサッカーがうまくなるかで頭がいっぱいだ。大好きなサッカーを続けるために、女たちは手と手を取り自然に連帯していく。現状を嘆くのではなく、どう連帯するかを、サッカーを通じて軽妙に語る本書は韓国で多くの読者に熱く支持され、YES24主催「今年の本」にも選ばれた。サッカーを通してフェミニズムの先にある希望を読者は見出せるだろう。 著者:キム・ホンビ エッセイスト。本書が初の著書となる。韓国オンライン書店YES主催の「2018年今年の本」に選ばれた。
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デザインはみんなのもの
¥1,650
Futuress | 井上麻那巳 訳 Design is for EVERYBODY デザインはみんなのもの 著者 Futuress 翻訳・デザイン 井上麻那巳 編集 宮本裕人 出版 Troublemakers Publishing 印刷 株式会社サンニチ印刷 Language: Japanese Size: 102mm × 162mm Page: 96p November 2024 Printed in Japan ISBN 978-4-911196-99-1 どうしてデザイン賞の審査員や受賞者は男性ばかりなの? どうして欧米でデザインを学んだことがステータスになるの? どうしてスマートフォンは女性の手には大きすぎるの? スイスを拠点にするグローバルなフェミニスト・コミュニティ「Futuress」が掲載してきた、「フェミニズム × デザイン」の視点で身近なデザインの、わたしたちの社会の当たり前を問い直す5本のエッセイを収録。トルコ、ノルウェー、アメリカ、インド、パレスチナ。世界のフェミニストたちから届いた、希望と連帯のストーリー。 ◉おばあちゃんはサイボーグじゃない ムスリムでトルコ人の著者は、身長150cmの小柄な祖母をもつ。おばあちゃんが暮らしにくい環境をつくったのは誰? スマホから医療用マスクまで、身の回りのプロダクトデザインを振り返り、そこに隠れたバイアスを読み解く。 ◉綴じられなかった正典 男性中心のデザイン業界に、シンプルが“良い”とされるデザイン規範。ノルウェーの状況は、まるで日本の写し鏡のようだ。記されてこなかった過去を振り返ることから、あるべき「未来の歴史」を考える。 ◉同時に、同じ夢を見ること 中国系アメリカ人でクィアの著者が綴る、アメリカでアジア人として生きること。日常的なニュースやカルチャーに見る、さまざまな差別と偏見。アジア系の人々の運動の歴史に学ぶ、夢を見ること、連帯することの可能性。 ◉カーストとデザイン ヒンドゥー教に基づく身分制度が残るインドでは、上位階級の人だけがデザインを担っている。恵まれた人々だけがデザインの仕事を担うことの危険性と、染みついた規範に挑むデジタル世代の闘い。 ◉パステルカラーの暴力 日本のアニメやキャラクターに見られるカワイイカルチャーには、女性を客体化し、現実で起きている暴力から目を背けさせてしまう負の側面がある。SNS上で、そして戦場で生まれている、カワイイの闇を検証する。 Futuress|フューチャーレス Futuressは、スイス・バーゼルを拠点とする〈デザイン・フェミニズム・政治〉のためのオンラインプラットフォーム。小島 澪とマヤ・オウバーが共同ディレクターを務め、出版プラットフォーム兼ラーニングコミュニティとして、デザインについて学ぶ場をつくり、デザインに関する幅広い議論を行っていくことを目指している。定期的にイヴェントや研究ワークショップを開催し、世界中に広がるコミュニティメンバーの問題意識から生まれたストーリーを公開している。 futuress.org IG: @futuress_org 井上麻那巳|Manami Inoue ジェンダーイコールな社会を目指してデザインができることを探究するデザイナー・アートディレクター。ミスフィッツのストーリーを伝えるTroublemakers Publishing共同代表。言葉とストーリーを大切にし、著者やブランドの思考や想いをヴィジュアルに翻訳することに焦点を当てている。2024年に出版スタジオTroublemakers Publishingを設立し、同年にインディペンデントマガジン『Troublemakers』を創刊。 manamiinoue.com IG: @mnm_inue
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吃音プライド Stammering Pride
¥1,650
著者 Dysfluent 翻訳・編集 宮本裕人 デザイン 井上麻那巳 タイポグラフィ(タイトル) コナー・フォーラン 編集協力 レナ・ベルナセク 出版 Troublemakers Publishing 印刷 株式会社サンニチ印刷 Language: Japanese Size: 102mm × 162mm Page: 96p December 2025 Printed in Japan ISBN 978-4-911196-98-4 言葉を繰り返す、言葉を伸ばす、言葉が出なくなる──長らくネガティヴなものとされてきた吃音を、尊重されるべき自然なものとして捉え直す「吃音プライド・ムーヴメント」がイギリスとアイルランドを中心に始まっている。 どもることを、話し方の違いとして、ニューロダイヴァーシティのひとつとして捉えること。速くて効率的なコミュニケーションをすることよりも、もっと大事なものがあることに気がつくこと。吃音をもつ人たちの生きた経験を伝える雑誌『Dysfluent』が掲載する、「吃音プライド」のいまを読み解く6つのインタヴュー。 ◉ぼくたちはひとりじゃない(まえがきの代わりに) 吃音をもつアイルランド人アーティストのコナー・フォーランさんが雑誌『Dysfluent』をつくり始めたのは、自身のアイデンティティと向き合うためだった。吃音とともに生きていくことについて、嫌いだった自分の話し方にプライドをもつことについて。本書のために収録された、コナーさんへのロング・インタヴュー。 ◉プライドへの道 吃音プライド・ムーヴメントの火付け役となったエッセイ集『Stammering Pride and Prejudice(吃音プライドと偏見)』。共同編集者のパトリック・キャンベルさんに、吃音プライド・ムーヴメントの希望と未来について訊いた。 ◉「自分への思いやり」の種を蒔くこと アイルランド吃音協会のメンバーで言語聴覚士のペニー・ファレルさんが語る、吃音に対する社会的偏見をなくし、変化を起こしていくために、アライ(支援者・理解者)のみんなにできること。 ◉プライドのパラドックス 「道徳的だと信じるあらゆるムーヴメントには、他の誰かを押しつぶしてしまう危険もある」。ライターのジャック・ニコラスさんと考える、「有害なポジティヴさ」を他人に押し付けないために心に留めておきたい言葉との向き合い方。 ◉自由にどもって 吃音当事者であり、言語聴覚士として13年働いてきたクリステル・クバートさんが語る、吃音を取り巻く社会の変化と、吃音プライドを広めていくために言語聴覚士たちにできること。 ◉連帯して進もう 吃音は吃音だけの問題じゃない。障害コミュニティ同士が連帯することの重要性を、インドで吃音に関する活動を行うプニート・シン・シンガルさんに訊いた。 ◉声を聴いてもらうために メディアで描かれる吃音をもつ人は、ほとんどが男性だ。ポッドキャスト番組『Proud Stutter』でホストを務めるマヤ・チュプコフさんが語る、女性が吃音を語ることの大切さ、吃音プライドを広めていくためのポッドキャストの可能性。 Dysfluent|ディスフルエント アイルランド人アーティスト/デザイナーのコナー・フォーランによる、吃音をテーマに活動するクリエイティブ・プラクティス。吃音をもつ人たちの生きた経験を伝える雑誌『Dysfluent』を主宰するほか、吃音プライド・フラッグ「Making Waves」をデザインするなど、吃音をテーマしたプロジェクトにかかわっている。 dysfluent.org IG: @dysfluent 宮本裕人|Yuto Miyamoto テキストを通じて人の「being / あり方」に光を当てることを目指すジャーナリスト、編集者、翻訳家。訳書に『サラリーマンはなぜサーフボードを抱えるのか?』(真崎 嶺)がある。生物学とジャーナリズムを学んだのち、『WIRED』日本版エディターを経て独立。2024年に出版スタジオ・Troublemakers Publishingを設立。 yutomiyamoto.com IG: @yutomiyamoto
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ORIAU わたしたちの見た目について
¥1,500
『ORIAU わたしたちの見た目について』 2025年11月3日 初版第1刷発行 サイズ 105mm x 148mm(A6)、右開き ページ数 154P 企画・編集 やまだえりな / 西川勇大 装丁・本文デザイン かみむられいな(IG:@b_jo4) 表紙イラスト minomi(IG:@minomi_illust) 発行者 やまだえりな / 西川勇大 印刷・製本 大阪印刷株式会社 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 見た目との折り合いはついていますか ~~~~~~~~~~~~~~~~~~ どうしても好きになれない身体のパーツがあったり、どうにか理想に近づけたいところがあったり。他人にとってはささやかな見た目の悩みごとを、誰しも抱えているのではないだろうか。それでも毎日、何事もなく働き、休日には友人と過ごす。何とか乗り越えている。どのように見た目の折り合いをつけていますか。 万人共通なのに個人的な、見た目との折り合いのつけ方を16名の書き手が赤裸々に綴る。「見た目に振り回されずに生きていく」ためのヒントに出会えることを祈った、見た目エッセイアンソロジー! 【目次】 やまだえりな 「親から授かったもの」 濠うか (ストーリーテラー) @gouuus 「わたしを愛するためのメイクレシピ」 まるいうみ (せんせい) 「そとみとなかみ」 鈴木せつか 「上下左右裏表非対称」 櫻井上総 (求人メディア編集者) @kzsskri 「チャームポイントとコンプレックスの境界線」 富田朱音(会社員) 「ちょっといいかも」 野井勇飛 (作曲と地域創生) @noi_nsta 「折り合う力」 中辻健人 (タトゥー彫師) @kent_tattoos 「見た目との折り合い」 やまだと @yamada_385 「化粧とわたし」 田中理那 (ピクニッカー) @rinat_1130 「沈む惑星昇る惑星」 東山玲奈 @1080sisters 「受け入れて、すすむすすむ」 古谷阿土 (美術館勤務) @azuchifurutani 「シンデレラフィットの功罪」 磯の音 「私を愛するために」 渡邉宥太 (カフェ店員) @yuta__pg 「鏡の向こう」 いからしみらい (都内OL) @__future.girl__ 「可愛至上主義」 西川勇大 (病院勤務) @yudai_nishikawa_ 「歯の教えとぼくと僕」
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ダイスキ〈新装版〉
¥1,300
-増刷につき、初版の表紙と異なります(画像の表紙のものをお送りします)- 著者:糸巻羽栞・ENO・O2・野口理恵・小林幹生・カザマタカフミ・you・西川勇大 表紙デザイン:前田あいみ(アマエタ) 造本:W105mm×H178mm・無線綴じ・96ページ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~ あなたがその人を大好きなのは、 どうしてですか。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 20代男女4人組が送るZINE「ダイスキ」が販売決定!! 「あなたがその人を大好きなのは、どうしてですか」という質問に答える形で8名の著者が文章を執筆。誰かへ向けた「大好き」というストレートな気持ちを綴ったZINEをお届けします。 マーケター、タトゥーイスト、司法書士志望の学生、書籍編集者、インテリアアドバイザー、バンドマン、イラストレーター、言語聴覚士を目指す専門学生….. ちがう立場の8人が、思い思いに描く「大好き」。 それは、恋人への愛情だったり、 自分の中の偶像だったり、 過去の素敵な思い出だったり。 あなたもわたしたちと一緒に、 大好きな人へ思いを馳せてみませんか?
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もう死んでいる十二人の女たちと
¥2,200
パク・ソルメ 著 | 斎藤 真理子 訳 定価|2,200円(本体2,000円+税) 発売日| 2021/02/22 判型|四六判 ページ数|222 ISBN|9784560090664 ------------------------------------------------------- 「わたしの白水社フェア」開催中!// 白水社の書籍をお買い上げの方に参加29店がオススメする書籍のご案内や翻訳家の柴田元幸さんらが寄稿する小冊子をお付けしております。 ------------------------------------------------------- [版元HPより] 3・11、光州事件、女性暴行事件などの社会問題に、韓国で注目の新鋭作家が対峙する8篇。待望の日本オリジナル短篇集 韓国で最も独創的な問題作を書く新鋭作家の ベスト版短篇小説集 韓国文学の新しい可能性を担う作家として注目され続ける著者の、10年の軌跡を網羅した日本版オリジナル編集による短篇小説集。本邦初の書籍化。 パク・ソルメは1985年光州生まれの女性作家。福島第一原発事故が起きた際、大きなショックを受けたという。原発事故に触発され、韓国でいち早く創作した作家がパク・ソルメである。光州事件や女性殺人事件などが起きた〈場所〉とそこに流れる〈時間〉と自身との〈距離〉を慎重に推し量りながら、独創的で幻想的な物語を紡ぐ全8篇。全篇にわたり、移動しながら思索し、逡巡を重ねて「本当のこと」を凝視しようとする姿勢が貫かれ、ときおり実感に満ちた言葉が溢れ出る。描かれる若者たちは独特の浮遊感と実在感を放つ。 「そのとき俺が何て言ったか」:カラオケボックスを経営する「男」にとって、大事なことは「心をこめて歌わなければならない」という一点だ。女子高生のチュミが友達とカラオケボックスに入ると、友達は一生けんめい歌ったが、チュミはちゃんと歌わなかった。友達が水を買いに出た後、一人になったチュミのところに男がやってきて……。 「じゃあ、何を歌うんだ」:旅先のサンフランシスコで、在米韓国人のヘナが光州事件について発表する場に居合わせた「私」。そこでの話はまるでアイルランドの「血の日曜日」のように、疑問の余地がないように聞こえた。2年後に光州でヘナと再会し、金正煥の詩「五月哭」をヘナと一緒に人差し指で一行一行なぞりながら読む……。 「冬のまなざし」:釜山の古里原発で3年前に起きた事故に関するドキュメンタリーをK市の映画館で見た時のことを振り返る「私」。事故後の釜山の変化、監督や映画館で会った人との交流を、自身の微妙な違和感を交えながら回想する。 「もう死んでいる十二人の女たちと」:五人の女を強姦殺害したキム・サニは、交通事故で死んだ後、犯行手口の似た別の人物に殺された女たちが加わった計十二人に改めて殺された。「私」はソウルの乙支路入口駅にいる幼ななじみのホームレスのチョハンを通してそれを知るのだが……。 【目次】 そのとき俺が何て言ったか 海満 じゃあ、何を歌うんだ 私たちは毎日午後に 暗い夜に向かってゆらゆらと 冬のまなざし 愛する犬 もう死んでいる十二人の女たちと 解説 斎藤真理子 【著者略歴】 パク・ソルメ 1985年、韓国・光州広域市生まれ。韓国芸術総合学校芸術経営科卒業。2009年に長編小説「ウル」で子音と母音社の新人文学賞を受賞してデビュー。14年、「冬のまなざし」で第4回文学と知性文学賞、短編集『じゃあ、何を歌うんだ』で第2回キム・スンオク文学賞を受賞。19年、キム・ヒョン文学牌を受賞。いま韓国で最も注目される新鋭であり、文壇で最も独創的な問題作を書く作家と評価されている。
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未来散歩練習
¥2,310
パク・ソルメ 著 | 斎藤 真理子 訳 定価|2,310円(本体2,100円+税) 発売日|2023/06/30 判型|四六判 ページ数|230 ISBN|9784560090855 ------------------------------------------------------- 「わたしの白水社フェア」開催中!// 白水社の書籍をお買い上げの方に参加29店がオススメする書籍のご案内や翻訳家の柴田元幸さんらが寄稿する小冊子をお付けしております。 ------------------------------------------------------- [版元HPより] 光州事件、釜山アメリカ文化院放火事件と五人の女性の生き方を通して、今を生きる・過去を理解する・未来を思うことを描く長篇 新しい世界を信じて夢見た 彼らが練習した未来へ 著者は、社会問題に独創的な想像力で対峙する、韓国で最も注目される新鋭作家である。 光州事件、釜山アメリカ文化院放火事件からの時間を、歩きながら思索し、つながりあう五人の女性たち。今を生きる・過去を理解する・未来を思うことを重層的に描く物語。 スミと幼馴染のジョンスンはホテルで会って話している。東京の大学院に留学し、仕事に追われる自分に不安になるスミ。ジョンスンは東京で結婚し離婚して、育児の悩みや経済的な苦労を抱える。スミはこの日の朝まで、親戚のユンミ姉さんと一緒にいた。ユンミ姉さんのことをしっかり記憶にとどめておきたいとスミは強く思う。 1980年代、釜山に住む中学生のスミの家に、刑務所を出た大学生のユンミ姉さんが突然やってきた。彼女がアメリカ文化院放火事件の実行犯の一人だと教えてくれたのはジョンスンだった。ある日、ユンミ姉さんがバスで光州へ行くと言い、スミが同行することになる……。 ソウルに住む作家の「私」は釜山を訪れた際、不動産を所有しながら一人で暮らす六十代の女性、チェ・ミョンファンと出会い、その生き方に刺激を受ける。そして、ずっと興味を持っていた釜山アメリカ文化院放火事件に、チェ・ミョンファンも遭遇していたと知り……。 釜山アメリカ文化院放火事件に関わる人々は「来たるべき未来を練習した人」とされ、「私」は現地周辺を歩きながら、当時の人々が何を思い、記憶し、来たるべき未来の練習をしていたか、息をするような等身大の感覚で肉薄していく。 「私」は『チボー家の人々』を心の拠り所にし、ジャックの存在を自身の内にあたたかく感じ取る。人々が練習した未来は今日に続き、悩みながら懸命に生きる読者一人一人と強い信頼を結ぶ。 [著者略歴] パク・ソルメ 박솔뫼 1985年、韓国・光州広域市生まれ。韓国芸術総合学校芸術経営科卒業。2009年に長篇小説『ウル』が「子音と母音」新人文学賞を受賞してデビュー。「完全に新しい、見たことのない小説」と評価された。14年、「冬のまなざし」で文学と知性文学賞、短篇集『じゃあ、何を歌うんだ』でキム・スンオク文学賞を受賞。19年、キム・ヒョン文学牌を受賞。21年、『未来散歩練習』(本書)で東里木月文学賞を受賞。 邦訳に『もう死んでいる十二人の女たちと』(斎藤真理子訳、白水社)がある。
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ヒョンナムオッパへ 韓国フェミニズム小説集
¥1,980
チョ・ナムジュ 著 チェ・ウニョン 著 キム・イソル 著 チェ・ジョンファ 著 ソン・ボミ 著 ク・ビョンモ 著 キム・ソンジュン 著 斎藤 真理子 訳 定価|1,980円(本体1,800円+税) 発売日|2019/02/20 判型|四六判 ページ数|256 ISBN|9784560096819 ------------------------------------------------------- 「わたしの白水社フェア」開催中!// 白水社の書籍をお買い上げの方に参加29店がオススメする書籍のご案内や翻訳家の柴田元幸さんらが寄稿する小冊子をお付けしております。 ------------------------------------------------------- [版元HPより] 『82年生まれ、キム・ジヨン』の著者による表題作ほか、多彩な形で表現された7名の若手実力派女性作家の短篇集。 『82年生まれ、キム・ジヨン』の著者による表題作を収録! 「ヒョンナムオッパへ」の主人公は、ヒョンナムに恋をし、精神的に支配されながら、それが暴力であるということにも気づいていない。あとからそれに気づくという小説を書きたかった。 ――チョ・ナムジュ 嫁だからという理由で、妻だからという理由で、母だからという理由で、娘だからという理由で受けてよい苦痛はない。ただ女だからという理由だけで苦しめられてよい理由などない。 流さなくていい涙を流さなくてすむ世の中を夢見ている。 ――チェ・ウニョン [目次] 「ヒョンナムオッパへ」チョ・ナムジュ 「あなたの平和」チェ・ウニョン 「更年」キム・イソル 「すべてを元の位置へ」チェ・ジョンファ 「異邦人」ソン・ボミ 「ハルピュイアと祭りの夜」ク・ビョンモ 「火星の子」キム・ソンジュン 解説:斎藤真理子 [著者略歴] チョ・ナムジュ 1978年、ソウル生まれ。2011年、第17回 文学トンネ小説賞に長篇小説『耳をすませば』が入 選して作家活動を始めた。第2回ファンサンボル青 年文学賞、第41回今日の作家賞を受賞した。長篇小説『82年生まれ、キム・ジヨン』(斎藤真理子 訳、筑摩書房)が百万部を超えるベストセラーとな る。その他の作品に『彼女の場合は』(2018年)がある。 [著者略歴] チェ・ウニョン 1984年、京畿道光明生まれ。2013年、『作家世界』新人賞に入選して作家活動を始めた。第5回若い作家賞、第8回若い作家賞、第8回ホ・ギュン文学作家賞、第24回キム・ジュンソン文学賞、 第51回韓国日報文学賞を受賞。短篇集に『ショウコの微笑』(吉川凪監修、牧野美加・横本麻矢・小林由紀訳、クオン)、『私に無害な人』がある。 [著者略歴] キム・イソル 1975年、忠清南道礼山生まれ。2016年、ソウル新聞の新春文芸に短篇小説「十三歳」が当選して作家活動を始める。第1回ファン・スンウォン新進文学賞、第3回若い作家賞を受賞。短篇集に『誰も言わないこと』『今日のように静かに』、長篇小説に『悪い血』『幻影』『線画』がある。 [著者略歴] チェ・ジョンファ 1979年、仁川生まれ。2012年、チャンビ新 人小説賞を受賞して作家活動を始めた。第7回若い 作家賞を受賞した。短篇集に『とても内気な』、本書収録作を収めた『すべてを元の位置へ』、長篇小説に『いない人』がある。 [著者略歴] ソン・ボミ 1980年、ソウル生まれ。2009年、『21世紀文学』新人賞を受賞。2011年、東亜日報新春 文芸に短篇小説「毛布」が当選して作家活動を始める。第3回若い作家賞大賞、第4回若い作家賞、第5回若い作家賞、第6回若い作家賞、第46回韓国日報文学賞、第21回キム・ジュンソン文学賞、第25回大山文学賞を受賞した。短篇集『彼らにリン ディ・ホップを』、長篇小説『ディア・ラルフ・ロー レン』がある。 [著者略歴] ク・ビョンモ 1976年、ソウル生まれ。2008年、『ウィザード・ベーカリー』で第2回チャンビ青少年文学賞を 受賞して作家活動を始めた。第39回今日の作家賞、第4回ファン・スンウォン新進文学賞を受賞し た。短篇集『赤い靴党』『それが私だけでないことを』、 長篇小説『一さじの時間』『四家族の食卓』がある。 [著者略歴] キム・ソンジュン 1975年、ソウル生まれ。2008年、中央新人 文学賞に「私のいすを返して」が当選して作家活動 を始める。第1回若い作家賞、第2回若い作家賞、 第3回若い作家賞、第63回現代文学賞を受賞短篇集『ギャグマン』『国境市場』がある。
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地方女子たちの選択
¥1,980
著 者|上野千鶴子|山内マリコ(著)|藤井聡子(協力) 定 価|¥1800(税込:¥1980) 発行日|2025年07月14日 ISBN|978-4-86627-165-1 判 型|四六判 ページ数|268 [版元HPより] 上野千鶴子×山内マリコ 初共著! 「地方の女性流出」が取り沙汰される今日だが、当の女性たちの姿はあまり見えない。それは女性が減ると産まれる子どもの数が減るという、「数」でしか見られていないからだろう。 本書では、地方都市のひとつ富山で女性14人の語りを聞き取り、「数」から「生身のある人間」へと解像度をあげた。彼女たちはなにを選んできたのか、選べなかったのか。語りを通して、みえてくるものとは。 「富山から出ていく」選択をした上野千鶴子と山内マリコが、様々な選択が幾重にも交錯する語りをふまえ、対談し、地方をみつめなおす。 [目次] はじめに 第1章 出ていったわたしたち 地方女子の生きる道(上野千鶴子) 帰りたいけど帰れない(山内マリコ) 第2章 女性たちの語り 聞き取りにあたって ライフヒストリー テーマ別でみる女性たち 「語る」を取り戻す(藤井聡子) 第3章 対談(上野千鶴子×山内マリコ) 地方女子たちの選択 あとがき
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千兎 田中望作品集
¥4,620
田中望 著 発行|信陽堂 サイズ|148mm × 210mm |B5判|168p |天銀コデックス装・ハードカバー ISBN|978-4-910387-07-9 うさぎたちが導く 奇想の天地へ 地域に滞在、その地に暮らす人たちと農作業、年間行事、祭礼をともにし、伝承や民話などのフィールドワークから作品を作り続けてきた異色のアーティスト田中望が全幅数メートルの巨大な画面に奔放精緻に描いた奇想の天地と数千の兎を、絵にもぐり込むように接写、一枚の作品を数十の場面で再現した驚異の作品集です。 収録作品 ハレノノヒ、大宝市、ひのもとのくに、塩と土、山の神の縁日、火の同盟
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ふらんすの椅子 四月と十月文庫9
¥1,760
鈴木るみこ 著 定価|1,760円(本体1,600円+税) 発売日|2025年8月刊 四六判変型|並製本/写真1頁+本文176頁 ISBN|978-4-89629-461-3 [版元HPより] 雑誌『クウネル』の“心臓”であったライター・編集者鈴木るみこの遺稿集。『暮しの手帖』『フィガロ ジャポン』『すばる』などに掲載のエッセイのほか、未発表原稿5篇収録。 夢見る少女は、憧れのフランスに暮らす。いのちを愛おしむ眼差しからせっせと文章を書き、若い読者の夢を応援した。鈴木るみこは、大人になって最後まで夢見る少女のままだった。その切ない証しがポロポロ涙の結晶のようにこの本に詰まっている。 解説「るみちゃんへ」牧野伊三夫 装画 牧野伊三夫 装丁 青木隼人+牧野伊三夫 ■目次 ふらんすの椅子 記憶/はじまりは一本のつるバラ。日々是、庭づくり。/フランスとレースと私 雨戸・そのほか 雨戸/花を飾る人/プレゼント/おあげさん/まなづる/白をおく/給食袋/ブールデルのアトリエ/ゴキゲン、いかが?/顔/馴れるものか/夢のはなし/メジロ小劇場/本棚を作る/映画とナイフ/空と、地べたと。/Yさんの言葉/熱の日 眺めのいい食卓 本のこと 第1回/第2回/第3回 未発表原稿 メロディ・フェア/和子さんの塩むすび/ミモザ/神さま/金の輪 るみちゃんへ 牧野伊三夫 ■著者 鈴木るみこ(すずき・るみこ) 1963年静岡県富士宮市生まれ。ライター、編集者。1986年上智大学文学部フランス文学科卒業後、マガジンハウスに入社。1992年退社後、約2年間をフランスで過ごし、帰国後、執筆、編集、翻訳を手がける。雑誌『クウネル』に2001年創刊より携わり、生活雑誌の新局面を創出する斬新な編集と同誌に掲載された署名原稿により高い評価と人気を得る。2014年雑誌『つるとはな』ほかの雑誌や書籍の編集および執筆で活躍する。編著に『スマイルフード』(マガジンハウス、2000年)、『糸の宝石』(吉田昌太郎編、島隆志写真、ラトルズ、2009年)、『クウネルの旅 パリのすみっこ』(マガジンハウス、2010年)、『山口さんの椅子/記憶』(オオヤコーヒ焙煎所出版局、2012年)、『O KU 内藤礼 池上はどんなところだったか』(長野陽一写真、hehe、2014年)、『みどりの王国』(戎康友写真、青幻舎、2023年)ほか。2018年5月16日死去。
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偶偶放浪記
¥1,980
小指 著 定価|1,980円(本体1,800円+税) 発売日|2024/07/23 判型|A5 ページ数|182 ISBN|9784560091159 ------------------------------------------------------- 「わたしの白水社フェア」開催中!// 白水社の書籍をお買い上げの方に参加29店がオススメする書籍のご案内や翻訳家の柴田元幸さんらが寄稿する小冊子をお付けしております。 ------------------------------------------------------- [版元HPより] 人々に忘れ去られそうな場所を“たまたま”訪れる愉しみ。岸本佐知子氏、都築響一氏推薦の小指が描く「旅」にまつわる漫画+エッセイ。 岸本佐知子氏、都築響一氏推薦 漫画+エッセイの「旅の本」 寄居、いちょう団地、石岡、城ヶ島……有名な観光地でも“映え”スポットでもない、人々に忘れ去られそうな場所を「たまたま」訪れる愉しみ── 外出や旅行が憚られたコロナ禍の2020 年。漫画・エッセイ・絵画・音楽等多方面に活躍する著者は、どこにも行けないのならと家に籠り、わずかひと月の間に過去の旅の思い出を漫画と文章で甦らせ、『旅の本』という書名で自費出版、大きな反響を呼んだ。これを大幅に加筆・修正し、さらにPR誌「白水社の本棚」連載「偶偶放浪記」や書き下ろし四篇を加え、新たな旅の本としてまとめたのが本書である。 宿も食事も想定外、なぜか巻き込まれる奇怪なアクシデントの数々、時代に取り残され失われつつある光景、交錯する自らの記憶……笑いと哀感が入り交じり、読後はふらっとどこかへ行きたくなること必至の、珠玉の旅漫画+旅エッセイ集。 「私も小指さんの目と、耳と、鼻を借りて、今すぐ旅に出たい。近くて遠い、異界の入口をのぞいてみたい。しみじみと、最高です」 ──岸本佐知子 「どうでもいい町を歩く楽しみが、どうでもいい人生を楽しむ極意を教えてくれる」──都築響一 [目次] はじめに 登場人物紹介 いちょう団地の思い出 寄居旅行記 城ヶ島奇譚 ほら穴 神々の集う島 神津島 まぼろしの町 石岡 天下茶屋散歩日記 近所のチベット 笹山団地 大阪遠征 西成さすらい編 山谷のアーケード遺跡 沖縄のアサヒ食堂 横須賀の奇人「アトム爺」 横浜中華街にまつわる掌編 子安という町 京急線と奇妙な長屋群 関西旅行記 偶偶放浪記[第1~6話] おわりに 初出一覧 [著者略歴] 小指(こゆび) 漫画家、画家、随筆家。1988年神奈川県生まれ。武蔵野美術大学卒業。 過去に自主制作で『夢の本』『宇宙人の食卓』『旅の本』『人生』を発表。2023年、依存症と内省の記録『宇宙人の部屋』(ROADSIDERS)を刊行。白水社PR誌「白水社の本棚」にて「偶偶放浪記」を連載中。 また本名の小林紗織名義で画家として活動し、音楽を聴き浮かんだ情景を描き記録する試み「score drawing」の制作や、岸本佐知子・柴田元幸編訳『アホウドリの迷信』、リー・アンダーツ著『母がゼロになるまで』等書籍の装画も手掛ける。第12回グラフィック「1_WALL」審査員奨励賞受賞(大原大次郎選)。
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祈ってないで告れよ ※著者サイン入り
¥1,430
あおきまみ 著 判型|B6 頁数|96ページ 装丁|西平礼子 装画|さとうひより 編集|八尋遥 出版社|あおきまみ カトリック系女子校への進学、大学時代に出会ったクリスチャンの恋人、父の酒癖と向き合った日々、そして教会で祈った友人たちの姿。キリスト教と交わりながら生きてきた著者が、「祈る」という営みの深みにそっと手を伸ばすエッセイ集。 祈りに、なにかを実現するための機能を求めなくても、なお祈るのは、どうしてだろう。叶わない祈りに、意味はあるのか――。 広く捉えれば、日々のなかで「まったく祈らない」ことのほうが難しいのかもしれない。 では、その祈りは何を支えているのか。どうして祈らずにはいられないのか。 その問いに、著者は等身大のまま向き合っていく。 ――書くことも祈ることも、目の前にいない人に「忘れていないよ。ちゃんと覚えているからね」と心で伝える行為になった。(「おわりに」より) 目次 はじめに マドレ・エレナと踏めない言葉 祈ってないで告れよ しいちゃんのまなざし手のひらサイズの「祈」 重い扉を開けて帰る人 祈りを水の上に投げる あとがき 【著者プロフィール】 あおき まみ 哲学する作家。岐阜県生まれ、岐阜県育ち。上智大学外国語学部英語学科卒業。海外食品の輸入業に携わる傍ら、文筆活動を行う。著書に『つきあったら、クリスチャン』(生活綴方出版部)、『娘、実家にリーリーリーと叫ぶ』(雨季とプールBOOKS)。2025年より、日常にある身近な「問い」について、考えを深める哲学ワークショップ『哲学ア・ラ・モード』を各地で運営する。 Instagram: mmai.aoiro
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つきあったら、クリスチャン ※著者サイン入り
¥880
あおきまみ 著 装画|ナカモトコーイチロー 装丁|西平 礼子 編集・レイアウト|中岡 祐介(三輪舎) 判型|文庫 頁数|44ページ 出版社|生活綴方出版部 クリスチャンの彼はやさしい。熱が出ても、人間関係がうまくいかないときも、彼はわたしのために祈ってくれる。「まみのことを祈らない日なんてない。毎日必ず祈ってから寝てるんや」。でも、そのやさしさが苦しい。存在を肯定してくれているようで、存在を揺るがす愛。愛されたい、必要とされたいという思いは、自らを蔑ろにすることでもある。信仰は「どう生きるか」への答えを与えてくれるが、目の前のひととどう生きるかという問いに必ずしも答えてくれない。その答えは自分でつくっていくしかない。――学生時代に付き合った彼が敬虔なクリスチャンだった、というタイトルどおりのこの話を、個別的かつ特殊な体験として読みはじめたとしても、身に覚えがあるときづいて、いつしか自分の物語として読んでしまっているはずだ。 【著者プロフィール】 あおき まみ 哲学する作家。岐阜県生まれ、岐阜県育ち。上智大学外国語学部英語学科卒業。海外食品の輸入業に携わる傍ら、文筆活動を行う。著書に『つきあったら、クリスチャン』(生活綴方出版部)、『娘、実家にリーリーリーと叫ぶ』(雨季とプールBOOKS)。2025年より、日常にある身近な「問い」について、考えを深める哲学ワークショップ『哲学ア・ラ・モード』を各地で運営する。 Instagram: mmai.aoiro
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ぞうきん[雑巾]|ZINE
¥1,650
企画・デザイン|橘川 幹子 Instagram|@kitsumoco 雑巾の収集|小島古道具 Instagram|@kojima_furudougu 撮影|鏑木 希実子 編集|菊地 杏子 古いお家から出てきた、縫い溜められていた「雑巾」の写真集。 フルカラー32ページ 別紙の全雑巾の解説文・本誌に掲載していない雑巾のポストカード2枚入 \\まさに女性の生活史!そのものが「雑巾」 当時の女性は「何を思い、何を考え、縫っていたのだろうか? 伴侶の不貞、姑のいじわる、子どもたちの事・・・ ーもしくは、何も考えずに手先だけを動かしていたのかもしれない。ー// (店主感想)
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『(un)cured』創刊号
¥2,860
自分の心身に振り回されている人のための、カルチャー・健康マガジン『(un)cured』 創刊号特集:Where is My "Healthy" ?(わたしの「健康」はどこにある?) 自己管理ができること、そして常に心身ともに健康であることが、社会に居場所を確保するための「義務」や「前提」のようになりつつあるいま。 「生きてるだけでえらい」という言葉が、ときに空しく響いてしまう。かといって、社会が求める「健康」を義務感だけで追いかけるのもしんどい。 本冊子『(un)cured)』は、外側から押し付けられるものとしての「正しい健康」ではなく、「自分が自分のために健康であろうとすること」を肯定し、カルチャーを入り口に、健康について主体的かつ自由なムードで考えられる状態をつくることを目指します。 ▼収録コンテンツ 【インタビュー・対談】 ・成長以外も生である──『ナミビアの砂漠』監督インタビュー 山中瑶子 西森路代 ・身体と和解したい会議 田島ハルコ × 河井冬穂 ・命だけでは生きられない──医師と元・スペースシャワーTV運営代表が語る「不要不急」のカルチャーについて 近藤正司 徳田嘉仁 ・Which 健康(ヘルシー) do you like? 健康(ヘルシー) by ホリヒロカズ ・「ただ居る」ことの難しさ──(un)cured創刊に寄せて 徳田嘉仁 河井冬穂 【読書特集】 ・健康と病をめぐる読書処方箋──「病んでいる」のは誰のせい? 宇野常寛 高島 鈴 【映画特集】 ・わたしという宇宙でもがいて生きる、uncured な映画たち ゆっきゅん 【論考】 ・ポップミュージックが歌う「健康」のイデオロギー つやちゃん ・読書とキュア──因習村ミステリーに見る「癒やし」の構造 速水健朗 ・唯ぼんやりした不調──自律神経を批評する 福尾 匠 【エッセイ】 ・「自然」でいるより「自分」でいたい 土門 蘭 ・人生の夜の過ごし方 vol.1 tofubeats 【リサーチ】 ・今日からはじめる読書セラピー 寺田真理子 ・わたしの回復手順 絶対に終電を逃さない女 横道誠 他 <発行の背景> このたび、くわくわ企画では、一人一人が自分主体の「健康」のあり方について、カルチャーを入り口に考え直す冊子『(un)cured』の発行を企画しています。 企画の原点には、くわくわ企画代表であり、総合診療医でもある徳田が日々の現場で感じてきた違和感があります。 それは、病院が効率化・画一化された「健康」を一方的に押し付けるのではなく、一人一人の価値観や人生観を尊重し、その人らしい「健やかさ」を支える存在でありたいというものです。 『(un)cured』が目指すのは、社会の要請に従った健康管理ではなく、「こんな自分でいたい」「こんな状態で日々を過ごしたい」といった、自分の心や身体が心地よい状態を主体的に選び取れるような新しい空気や価値観を社会全体に広げていくことです。 部屋や服を選ぶように、音楽を楽しむように──。カルチャーを入り口に、医療や健康、生命について、自然に心地よく向き合える時間をつくれることを願っています。 冊子名である“(un)cured”には、「治しきれていない」「未硬化の」といった意味があります。この言葉を軸に、医療者も非医療者も、健康や生命について横並びで語り合える場をつくっていければと考えています。 発行人:徳田嘉仁(くわくわ企画代表) <商品情報> 価格:2,600円(税抜) 発行予定:2026年3月 ページ数:144ページ 企画・編集:一般社団法人くわくわ企画/合同会社バンクトゥ
